激化する香港デモ2019。発端は「逃亡犯条例の改正案」を巡る話ですが、本質は「迫りくる中国政府による香港支配の是非」です。自由都市「香港」は中国本土に飲み込まれるのか？アメリカはそれを容認するのか？香港にも関税を掛けるのか？米中戦争の行方は？為替はどうなる？
どもどもasajiroです。
先週から新聞やニュースで取り上げられている「香港デモ」。
うわあ・・・すんげえ人！
日本からすると
「また中国と香港が揉めている」
程度の出来事に取られることが多いわけですが、
実は世界経済や金融業界からすると大変重要な出来事なんですよ。
これ、何がどうなっているのか簡単に説明すると・・・
まず、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする
「逃亡犯条例」改正案
ってのが香港で審議されることになったわけ。
これはどういうことかというと、
中国本土にとって都合の良くない人物（犯罪者や民主主義者）
を香港から中国本土に送り、
中国本土の司法制度で裁くことが出来るようになる！というもの。
（有罪率はほぼ100％だという話）
これが施行されれば、
「中国政府を批判する人は尽く捕らえられて処罰される」
ことになるわけ。
（「反送中」が合言葉みたいっすね）
今、日本では公然と政府を批判する人たちが沢山いますが、
当然捕らえられることもないし、罰せられることもないですよね。
それは日本が健全な民主主義国家だからです。
しかし中国は違います。
一党独裁の社会主義国家。
当然、香港は中国の一部なのですが、
1997年にイギリスから香港が返還された時にされた約束事が、
「一国二制度」。
高度な自治が認められているため、
中国の一部でありながら
「民主主義」「自由貿易」「独立した司法機関」
を有しているのですよ（関税も別）。
そして、世界的に重要な
「国際金融都市」であり、
通貨の「香港ドル」は世界第8位の取引高を誇ります。
その人口は約700万人。平均寿命世界一。世界有数の富裕都市なのです。
この「大金融都市・香港」を段階的に窒息させ、
中国本土に取り込んでしまおう！と考えているのが習近平。
今回のデモは単なる「条例改正に対する反対」ではなく、
「中国共産党による香港支配」への激しい抵抗なのであります。
で、
今回の大規模な「香港デモ」が世界中の注目を集める理由は色々あります。
政治的な理由。経済的な理由。法的な理由。
その中で最もタイムリーな注目を集めているのは、
中国政府が「香港の高度な自治」を奪うと・・・
アメリカが香港を
「高度な自治都市」として認めなくなるのではないか？
という点です。
そう・・・ここで繋がるのが
「米中貿易戦争」。
ご存知の通り、現在アメリカと中国は貿易戦争の真っ最中で。
関税の掛け合いによる貿易摩擦は激化の一途をたどっています。
アメリカは現在、
香港を「高度な自治都市」として
中国とは完全に別扱いしていてるわけですが・・・・
「高度な自治都市」でなくなれば、
中国本土と同じように
「香港にも関税を掛ける」ということになるわけですよ。
香港の対米輸出額は約3,300億香港ドル（約4兆3000億円）。
輸出総額の8.5％を占めています。
そしてそのほとんど（85％）が・・・「中国原産品」です。
香港が中国本土に飲み込まれるのなら・・・
トランプ大統領は喜んで「香港に関税」を掛けるのではないでしょうか？
あるいは、香港が中国に飲み込まれないように、
「アメリカがデモを扇動している」という話もあります。
その場合・・・今回のデモの黒幕はアメリカって話になりますね。
香港デモは2週目に突入。
デモ参加者も200万人を超えたそうです。
この「香港デモ」は、
当然リスク回避の「円高要因」。
現状着地点が見えない感じですし、
（審議の中断はしたが撤回はしてない。撤回するまでデモは収まらない雰囲気）
とりあえずドル円は
「ショート目線」で見ておいた方がいいでしょう。
6月28～29日のG20では・・・
今回の「香港デモ」への言及が必ずあるとおもわれます。
そこでトランプ大統領と習近平の米中首脳会談が行われるかどうか？
行われるとして米中貿易協議に変化があるのかどうか？
スマホゲームに熱中しても一円にもなりません。
しかし、国際情報や経済情報を集めて分析するとお金になります。
常にアンテナを高く張っておきましょう。
ではまた！
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