日銀レートチェックとは？介入との関連性は？

最近頻発している突発的な値動き・・・今日もすわ介入か！と思わせる動きがありました。調べてみると、「日銀レートチェックの噂が観測された・・・」ということらしいです。噂って何だよ？という訳でちょっと調べてみました。



→最新の「日銀レートチェック」記事はこちら







◆日銀レートチェックとは
「日銀レートチェック」とは、日本銀行の為替担当者が民間銀行などの為替担当者に対して「今いくら？」と電話をかけて聞くことです。日銀には当然ディーリングルームがあり、現在のレートを知らないはずも無いわけで・・・普通に考えるとありえない話ですよね。そして普段からも民間のディーラーとは頻繁に情報交換をしているのです。

「知っているレートをわざわざ確認する・・・」

という中央銀行の行為によって、当局の「ナーバスさ」を印象付ける目的があります。
つまり、介入するしないにかかわらず、

「介入する用意があるぞ！」

と市場に思わせるのが目的だと思われます。実際に「日銀レートチェック」の噂が流れるだけで為替が大きく動くので効果覿面ですね・・・。下のチャートは今日のドル円5分足です。76円台ギリギリから大きく跳ねてます。



◆日銀レートチェックの噂の出所は？
素人目に不思議なのは、この「日銀レートチェックの噂」が一瞬の間に広まる所です。値動きはほんの一瞬。今回もわずかな間に50pipsも上昇しています。噂・・・というからには出所があるわけで、誰かが誰かに伝えないと広がらないハズですよね。

直接的な見方をすれば、噂の出所は民間の為替担当者ということになるんですけど、仮にその人が「おい、日銀からレートチェック入ったぞ！」なんて噂をばら撒くにしても、ばら撒くには時間がかかるし、タイムラグだって生じるんじゃないかな？実際の値動きはホントに一瞬だから、「みんなで一斉に」行動しないとこういった値動きにはならないと思うんだけど・・・。というか根本的に、民間の担当者が自らの意思で噂をばら撒くなんてことがあるのでしょうか？

私は専門家ではなく、ただの一般トレーダーなので憶測の域を出ませんが・・・
・日銀レートチェックの噂は、意図的にばら撒かれている？
・実際に市場を動かしているのは少数あるいは一部の関係者？金融筋？投資ファンド？

つまり、「日銀レートチェックの噂」という隠れ蓑を使った、日銀の意図的な警告じゃないのかな～と実際に介入を行うには、政治的にも国際的にも難しい局面ですからね。


◆日銀レートチェックと介入の関係性は？
システムトレードを行っている私にとっては、日銀レートチェックによる「行って来い」は特に問題ありません。むしろ逆張りのスキャル系EAが多いので歓迎ですね。問題はこの「日銀レートチェック」が本介入と関連している場合です。本介入などの一方的トレンドにはほとんどのEAが脆弱ですから。

過去に「日銀レートチェック」が入った後に介入が行われたこともあったみたいですが・・・実際に介入すると決定した後に、わざわざレートチェックを行う必要性があるでしょうか？いやいや、現実的には全く必要無いと思います。必要なのは「示威行為としてのレートチェック」を「介入」と関連付けることです。過去に「レートチェックの後に介入が入った」という例があれば、それだけで充分に抑止力を持った武器として「レートチェック」を存在させる事が出来ます。

つまり、日銀のレートチェックは、介入とは直接的には何の関係もない。だけど、関連性を持たせる為に介入直前に入れたりすることもある。といった所ではないでしょうかね～


◆私見にて結論。
日銀のレートチェックは日銀の示威行為。「介入の用意があるぞ！」と市場を牽制し警戒感を持たせるのが狙い。勿論介入の可能性はあるけど過激に反応する必要はない。と思います。

最近のドル円相場は76円台半ばの底値が堅い状況が続いてましたが、その一因として日銀の為替介入への期待感や警戒感が関与しているのは間違いないですよね。つまりこのツッカエ棒が取れてしまえば、ドドド～～ッと円高に振れてもおかしくないんです。スイスに流れていたリスク回避資金が流れ込むとも言われています。日銀としては、この期待感・警戒感を失う訳にはいきません。出来るだけジョーカー（介入）は切りたくない・・・というのが本音でしょうけどね。


※注、この記事は2011年9月21日に書いたものです。現在のレートとは離れていますが、考察はよく出来ていますね。
日銀のレートチェックは「市場に対するイエローカード」。警告です。サッカーと違って何枚も出せますけどね。



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