指し値介入・指値介入とは？スイス中銀をマネした新手の介入手法です。

2011年10月31日に政府・日銀が行った介入は「指し値介入」という新手の手法でした。




今回、政府日銀が実施した円売り・ドル買い介入の規模は約8兆円に上るらしいですね。1日あたりの介入額は過去最高。ちなみにこれまでの最大は今年8月4日の4兆5129億円で、今回はその約1.8倍の規模。


そして8月4日の介入と大きく異なるのが・・・今回の介入は、


指し値介入だということです。


指し値介入って何？と思われる方も多いと思います。


これは過日スイス中銀が行った新手の手法で、自国通貨にある一定の上限を設け、この水準以上の進行を拒否する介入方法。この時にスイス中銀は自国通貨の相場上昇を阻止する為に、対ユーロでスイスフランの上限を設定して為替介入を実施しています。


今回の介入時も一旦79.50迄上昇した後、79.20レベルで落ち着き、約3時間に渡って全く動かなくなりました。





実はこの時、市場には大量のドル売り円買いが入ってるんですね


つまり「利確した人達の売り」や「急落を見越しての売り」そして「ドル売り・円買いをしたい国内輸出企業の売り」等が大量に入ってたんですね。でも全く下降する気配がない。上昇もしない。


ここで用いられたのが「指し値介入」。いわゆる「指し値の買い注文」です。


一般的に「現在の相場より値が下がった時に、買い注文の予約を入れる」時に使う注文方法です。MT4では「Buy Limit」と表示される注文方法ですね。今回は、79.20の位置に「1000本（一本は100万ドル）」の指し値注文が入っていたとも言われており、かなりの売り注文を吸収してこのラインを支えていたようです。


チャートが79.20レベルで横一線になるわけですよ。


そして79.20レベルに置いておいた「指し値買い1000本」が尽きると一気に78.00レベルまで反落。しかし、またここでビタッと止まります。明らかに不自然ですよね。この78.00レベルは、介入当日の10月31日夕方から本日11月2日正午まで約40時間以上も保たれています。そして他のクロス円通貨は軒並み介入前の水準に戻ってしまっていることからも、


明らかにドル円78.00レベルに大量の「指し値買い」があると思われます。





介入後の会見で「納得いくまで介入する」と言い切った安住財務相。
78.00レベルでの「指し値介入」が今も続いているということは、今回の介入はかなり本気だと言えると思います。


問題は、介入に批判的なアメリカやユーロにどう抗弁するか。今は、国際的に「黙認しうる水準」を模索しているのかもしれません。どこまでこの強固な姿勢が貫けるか？日本政府の本気度はどの位なのか？注目して見て行きたいと思います。


※参考「日本経済新聞　政府・日銀が新手の指し値介入。スイス中銀に酷似」






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